【民間救急完全ガイド2025】利用例、必要性や手続きなど
民間救急とは 利用例 必要性や手続き完全ガイド
民間救急とは、消防が運行する「119番の救急車」とは別に、自治体の認定を受けた民間事業者が行う患者等搬送サービスのことです。
「救急車を呼ぶほどの緊急事態ではないけれど、徒歩やタクシーでは不安」「医療的ケアが必要な状態で安全に移動したい」といった場面で利用されます。
入退院時のストレッチャー搬送、病院間の転院、酸素投与中の移動、精神科疾患のある方の付き添い搬送など、近年はその利用シーンが大きく広がっています。本記事では、民間救急の役割や具体的な利用例、介護タクシーとの違い、料金・保険・手続きの流れまで、初めての方にも分かりやすく解説します。
「いざという時にどこへ相談すればいいのか」「どんな場合に119番より民間救急が向いているのか」を事前に知っておくことで、本人・ご家族ともに安心して医療へアクセスできるようになります。
民間救急とは?概要と利用シーンを解説

民間救急(患者等搬送事業)は、緊急度は低いが医療的な配慮を要する人を、専用車両で安全に搬送するサービスです。地方自治体(消防本部など)の認定を受け、一定の基準を満たした事業者だけが名乗ることができます。
119番で要請する救急車は、「生命の危険が迫っている状態」「急激な病状悪化」などの救命・応急処置が必要なケース専用です。一方で民間救急は、次のような場面で選ばれています。
- 入院・退院時のストレッチャー搬送
- 病院から別の病院への転院・検査・手術のための移動
- 在宅療養中の方の通院・検査・処置のための搬送
- 酸素投与・点滴管理などが必要な方の移動
- 精神疾患・認知症などで公共交通機関の利用が難しい方の搬送
- 長距離移動(都道府県をまたぐ搬送・実家への帰省・施設入所時など)
事前予約制で時間調整がしやすく、家族の予定や病院の受け入れ時間に合わせて搬送を組める点も大きなメリットです。
民間救急車の役割とサービス内容を徹底解説

民間救急車は、一般のタクシーとは異なり、医療・介護の知識を持つ乗務員と医療搬送用の設備を備えていることが特徴です。自治体が定める基準に沿って、以下のような体制が整えられています。
- ストレッチャー・リクライニング車椅子・担架などの搬送機器
- 酸素ボンベ・吸引器など、基準に応じた資器材
- 消防本部認定の「患者等搬送乗務員」など、講習を受けたスタッフ
- 事業者によっては、看護師・救急救命士など医療職の同乗にも対応
典型的な利用シーンとしては、次のようなものがあります。
- 点滴や酸素投与を継続しながらの入院・退院
- 人工呼吸器・気管切開・胃ろうなど医療依存度の高い方の移動
- 転院や専門病院受診のための、病院間搬送
- 長距離の帰省や施設入所・看取り前後の搬送
搬送中もバイタルサインの観察や体位変換など、必要な範囲で状態に配慮しながら移動できる点が、一般タクシーや介護タクシーとの大きな違いです。
民間救急の利用例とその必要性を考える
「今すぐ救急車で運ぶほどではないけれど、自力やタクシーでは不安」という場面は、実際には少なくありません。民間救急が活躍する具体例を見てみましょう。
- 寝たきりの方が退院して、自宅や施設へ戻るとき
- 腫瘍や骨折などで痛みが強く、長時間の座位保持が難しいとき
- 酸素吸入や吸引を継続しながら通院・検査に行くとき
- 認知症や精神疾患により、公共交通機関でのトラブルが心配なとき
- 家族だけでは移乗・介助が難しい体格や状況のとき
こうした場面で無理にタクシーや自家用車を使うと、転倒・点滴抜去・呼吸状態の悪化など、かえってリスクが高まることがあります。民間救急を活用することで、患者本人だけでなく、介助する家族の負担や不安も大きく軽減できます。
民間救急と介護タクシーの違いについて詳しく解説

名前がよく似ているため混同されがちですが、民間救急と介護タクシーは目的や装備が異なります。
民間救急(患者等搬送事業)
- 自治体(消防本部など)の認定が必要
- ストレッチャー搬送や医療機器搭載など、一定の装備と体制が義務付けられている
- 患者等搬送乗務員など、所定の講習を受けたスタッフが乗務
- 事業者により、看護師・救命士の同乗が可能
- 医療的配慮が必要な方の搬送を主な対象とする
介護タクシー(福祉タクシー)
- 主な対象は、車椅子利用や歩行が不安定な方など
- 医療機器やストレッチャー搭載は事業者による(義務ではない)
- ヘルパー資格など介護系資格を持つドライバーが多い
- 通院・買い物・外出支援など「日常生活の移動支援」が中心
ざっくり言えば、「座位での移動が可能で医療的リスクが低い場合は介護タクシー」
「医療的配慮が必要・ストレッチャー使用(車椅子も可)・長距離で状態悪化が心配な場合は民間救急」というイメージで選ぶと分かりやすいでしょう。
どんな時に民間救急車を利用すべきか具体例紹介
民間救急が向いているケースを、119番救急との比較も含めて整理します。
民間救急が向いているケース
- 酸素・吸引・点滴などの医療的配慮が必要だが、緊急性は高くない
- 病院や施設が日時を指定している転院・検査・手術前後の搬送
- 長距離の移動で、途中の体調悪化が心配な場合
- 精神科・認知症などで、一般タクシーだとトラブルが予想される場合
119番救急を優先すべきケース
- 意識がない・呼びかけに反応しない
- 突然の激しい胸痛・呼吸困難
- ろれつが回らない・片側の手足が動かない・顔のゆがみなど、脳卒中が疑われる症状
- 大きな外傷・大量出血・強い頭痛や嘔吐を伴う転倒直後
- 急にぐったりして様子がおかしい、命の危険が疑われる場合全般
判断に迷うときは、まずかかりつけ医や訪問看護師に相談し、緊急度が低いと判断されれば民間救急の利用を検討すると安心です。
民間救急車料金の相場と誰が支払うのか徹底解説
民間救急の料金は「距離」「時間」「人員・オプション(看護師同乗など)」によって変動します。あくまで目安ですが、次のような項目で構成されることが多いです。
- 基本料金(車両出動料)
- 距離制運賃(km単位)
- 時間制(待機時間など)
- 介助料・階段介助・搬送人数追加などのオプション
- 看護師・救命士同乗費用(必要な場合)
支払いは通常、利用者本人またはご家族が行います。救急車(119番)と違い、原則として公的負担ではなく私費となる点は押さえておきましょう。
ただし、自治体の助成制度などが使えるケースもあるため、事前確認がおすすめです。
民間救急の利用方法と手続きについて
いざという時にあわてないためには、利用の流れをイメージしておくことが大切です。ここでは、一般的な予約から当日までの流れを紹介します。
東京都の民間救急サービスの具体例とアクセス方法
東京都内には、消防本部などから「患者等搬送事業(民間救急)」の認定を受けた事業者が多数あります。多くの事業者が、次のような方法で相談・予約を受け付けています。
- 事業者の公式ホームページの問い合わせフォーム
- 電話での相談・見積もり・予約
- 病院の医療ソーシャルワーカーや地域連携室を通した紹介
東京都では、東京民間救急コールセンター等を通じて、要望に合う事業者を紹介してもらえる仕組みも整えられています(最新情報は自治体の公式サイトで要確認)。
「どの事業者に頼めばいいか分からない」という場合は、まずかかりつけの病院・訪問看護ステーション・ケアマネジャーなどに相談すると、地域の実情に合った事業者を教えてもらえることが多いです。
もちろん事業所への直接相談でも問題ありません。
必要書類と予約手続き、利用の流れを解説
民間救急の利用にあたり、特別な書類が必ず必要というわけではありませんが、スムーズな搬送のために、次の情報を準備しておくと安心です。

- 患者さんの氏名・生年月日・連絡先
- 現在の居場所(病院名・病棟・部屋番号、自宅住所など)
- 搬送先の病院・施設・住所
- 希望日時・病院側の指示時間
- 病名・状態・主な医療処置(酸素・点滴・人工呼吸器など)
- 付き添い家族の有無・人数
<一般的な利用の流れ>
- 事業者へ電話やフォームで問い合わせ・見積もり
- 状態や希望を伝え、必要な車両・人員・料金の説明を受ける
- 日時・経路・待ち合わせ場所などを確定し、正式に予約
- 当日、指定時刻に車両が到着し、乗務員がベッドからの移乗をサポート
- 搬送中は状態観察・医療処置・声かけなどを行いながら目的地へ移動
- 到着後、病院・施設のベッドや診察室まで搬入・引き継ぎ
- その場で精算、または事前取り決めに沿って支払い
東京民間救急コールセンターへの登録事業者情報まとめ
東京民間救急コールセンターには、各地域で認定を受けた民間救急事業者が登録されています。登録事業者は、
- 自治体の認定(患者等搬送事業)を受けている
- 車両・資器材・乗務員が一定の基準を満たしている
- 講習修了者が乗務している
といった条件を満たしているため、利用者側から見ても一定の安心感が担保されているリストと言えます。最新の登録事業者一覧や、対応エリア・連絡先などは、東京都や各自治体の公式サイト、コールセンターの案内ページから確認できます。
民間救急を利用する際の注意点やポイント
民間救急を安心して利用するために、次のポイントを押さえておきましょう。
- 緊急時は必ず119番を優先すること(民間救急は救命機関ではない)
- 事前に病院側と搬送日時・受け入れの時間を調整しておく
- 料金体系・キャンセル規定を事前に確認する
- 看護師・救命士の同乗が必要かどうかを医師や訪問看護師と相談する
- 精神的な不安が強い方の場合、家族の付き添いの有無や人数も検討する
特に長距離搬送では、休憩ポイントやトイレ・吸引などのタイミングも含めたプランニングが重要です。経験のある事業者であれば、過去の事例をもとに具体的な提案をしてくれるでしょう。
全国的な民間救急車の利用傾向を分析
全国的に見ると、高齢化の進展と在宅医療の普及に伴い、民間救急のニーズは年々高まっています。以前は「転院や長距離搬送のときだけ」というイメージが強かったものの、現在では、
- 在宅療養中の方の定期的な通院・検査
- がん終末期の方の自宅・施設への移動
- 精神・神経難病の方の移動支援
など、「生活を支える移動」の役割も担うようになっています。民間救急は、救急医療と在宅医療・介護の“橋渡し”をするインフラとして、これからますます重要性を増していくと考えられます。
民間救急に関する保険適用の条件と注意点
健康保険そのものは「医療費」に対する制度であり、搬送費用は原則として対象外です。ただし、次のようなケースでは、別の保険で一部カバーされる可能性があります。
- 傷害保険・医療保険の「通院・入院時の交通費補償」
- 自動車事故など、自賠責・任意保険の対象となる搬送
- 労災認定された通勤・業務災害に伴う移動
適用条件は保険商品によって大きく異なるため、契約している保険会社に「民間救急での搬送費は対象になるか」を事前に確認しておくと安心です。
民間救急を利用するときの支払い方法について
支払い方法は事業者により異なりますが、一般的には次のようなパターンがあります。
- 当日現金での支払い
- クレジットカード・QR決済などのキャッシュレス決済
- 後日、請求書発行(施設や病院・事業所からの依頼時など)
支払者は、基本的には利用者本人またはご家族ですが、場合によっては施設・病院・保険会社などが立て替えるケースもあります。
「誰が支払うのか」「どのタイミングで支払うのか」「分割や後払いは可能か」など、事前に確認しておくと、当日の搬送に集中できて安心です。
民間救急は、決して安いサービスではありませんが、その分「安全性」「安心感」「家族の負担軽減」という大きな価値を提供してくれます。いざという時に慌てないよう、事前に地域の事業者や料金の目安を知っておくことをおすすめします。
まとめ:民間救急を上手に活用して、安心できる移動を
民間救急は、119番救急車と日常の移動との“間”を埋める、大切な選択肢です。
「救急車を呼ぶほどではないけれど、自力やタクシーでは不安」という場面は決して少なくありません。そうしたときに、状態に合わせた搬送手段を知っているかどうかで、ご本人・ご家族の安心感は大きく変わります。
この記事でご紹介したように、
- 入退院・転院・通院など、医療的配慮が必要な移動
- 長距離搬送や在宅療養中の移動サポート
- 介護タクシーとの違いを踏まえたサービスの使い分け
を理解しておくことで、いざという時に落ち着いて最適な手段を選ぶことができます。
民間救急・介護タクシーのご相談はお気軽にどうぞ
「うちのケースは民間救急と介護タクシーどちらがいい?」「だいたいいくらくらいかかる?」など、
具体的なご相談があれば、まずはお気軽にお問い合わせください。
- ご病状やご家族の状況に合わせた搬送方法のご提案
- おおよその料金の目安や助成制度の確認
- 長距離搬送や看護師・救命士同乗のご相談 など
「相談だけ」「見積もりだけ」でも大歓迎です。
不安なまま抱え込まず、まずは一度ご相談ください。


