転院搬送・下り搬送に民間救急を使うには
救急外来で初期診療を終えた患者さんを、地域の病院へ移す。
病床を調整するために、容体の落ち着いた方に転院していただく。
こうした転院搬送は、119番の救急車に頼めるとは限りません。
東京消防庁は、条件に合わない依頼を断っています。
そこで使えるのが、消防が認定した患者等搬送事業者、いわゆる民間救急です。
令和8年度の改定では、民間の車による搬送も、
救急患者連携搬送料の対象になりました。
119番に頼める転院は、3つの条件がそろうとき
東京消防庁が転院搬送を受けるのは、次の3つをすべて満たす場合です。
- 緊急に処置が必要
- 要請元では治療が難しい
- ほかの搬送手段では対応できない
この「ほかの搬送手段」には、医療機関の患者等搬送車や民間救急車が含まれます。
要件に満たない依頼は断られ、搬送先を確保してから要請するよう求められています。
なお、#7119(救急相談センター)では、転院搬送の調整は行っていません。
国の通知は、急がない転院を病院救急車や民間救急へ
消防庁と厚生労働省は、平成28年の通知で、転院搬送のルールづくりを地域に求めてきました。
通知の名前は「転院搬送における救急車の適正利用の推進について」です。
急がない転院搬送には、病院救急車や民間救急を使うよう示されています。
令和7年6月30日にはこの通知が改められ、次のことが加わりました。
- 病院救急車の活用(救急患者連携搬送料も使う)
- 使い終えた消防の救急車を、医療機関へ引き渡して活用
- 地域の患者等搬送事業者の情報を、関係者で共有
地域の民間救急の連絡先を、院内で共有しておくと、
急な転院の手配でも、どこに電話をするかで迷わずに済みます。
救急患者連携搬送料と、民間救急の車
診療報酬には「救急患者連携搬送料」があります。
救急外来で初期診療をした患者さんを、連携する別の医療機関へ移す搬送の評価です。
令和6年度に新設され、令和8年度の改定で見直されました。
この改定で、救急自動車以外を使う搬送も評価の対象になっています。
厚生労働省の資料にも、民間救急の車での搬送が「その他の場合」の例として載っています。
| 区分 | 内容(入院前の搬送の場合) |
|---|---|
| 救急患者連携搬送料1 イ | 医師・看護師・救急救命士が同乗 2,400点 |
| 救急患者連携搬送料1 ロ | その他(民間救急の車など) 1,000点 |
| 救急患者連携搬送料2 | 受け入れ側の評価(入院初日) イ 800点、ロ 200点 |
| 長時間加算 | イ(1のイ・2のイ)で30分を超えた場合 700点(ロには付きません) |
施設基準や算定の要件(特定機能病院・救命救急センターなどの扱い、
連携先との事前の協議など)は、告示・通知の原文と、
各病院の届出の状況でご確認ください。
当社の看護師・救急救命士が同乗した場合の区分も、要件とあわせてお確かめください。
搬送の費用を、病院と患者さんのどちらがご負担になるかも、
前もって決めておくと、当日の支払いで迷わずに済みます。
リーベルの民間救急で、お引き受けできること
リーベルは、東京消防庁の患者等搬送事業者の認定を受けた民間救急です。
看護師・救急救命士が同乗し、車には生体情報モニターを積んでいます。
酸素や吸引、人工呼吸器をつけたままの転院にも対応します。
お迎えは、病室のベッドサイドまで。
転院先では、担当の方への申し送りまで行います。
長距離の転院や、新幹線・飛行機を組み合わせた搬送もお引き受けします。
くわしくは人工呼吸器・酸素・点滴をつけたままの搬送と、
長距離搬送のページをご覧ください。

ご依頼から、お引き渡しまで
- お電話かフォームで、空き状況を確認転院の日時と、転院元・転院先をお知らせください。
- 患者さんの状態と、必要な体制を確認医療機器や、同乗するスタッフを決めます。
- 料金と当日の流れをご案内お見積りをお伝えし、ご依頼を確定します。
- 当日、病室までお迎え転院先の担当の方へ申し送りを行い、お引き渡しまで対応します。
お支払いの方法は、ご予約のときにご相談ください。
病院・施設からのご依頼は、請求書でのお支払いもお受けできます。
料金は民間救急車の料金・費用で公開しています。
お電話の前に、手元にそろえておきたいこと
- 転院の日時と、受け入れの時刻
- 転院元・転院先の病院名と病棟
- 患者さんの状態と体位
- 酸素・点滴・吸引などの医療機器
- 病院から同乗する方の有無
- 感染症の有無と必要な対策
感染症の対策は、車内の準備に関わるので、分かった時点で早めに教えてください。
日程の調整も、必要に応じて代わりに行います。
印刷して使えるチェックリスト(PDF・A4 2枚)
この記事の内容を、印刷して使えるチェックリストにしました。
依頼の前に決めること、集める情報、当日の持ち物、急変時の取り決めをまとめています。
転院搬送の手配チェックリスト(PDF)を開く
病院の方から、よく聞かれること
病院の先生や看護師さんも同乗できますか?
はい。
同乗される方の人数で座席を調整しますので、ご依頼のときにお知らせください。
都外の病院への転院も頼めますか?
はい、全国への転院に対応します。
新幹線や飛行機を組み合わせることもできます。
急ぎの依頼でも頼めますか?
まずはお電話で、空き状況をお確かめください。
事前のご予約なら、深夜・早朝も承ります。
転院搬送のご依頼・ご相談
- 東京消防庁 患者等搬送事業者認定
- 看護師・救急救命士の同乗に対応
- 事前予約制・深夜早朝も対応
転院の日時、転院元・転院先、患者さんの状態を教えてください。
体制とお見積りをご案内します。
いま命に関わる状態の方は、迷わず119番へ。
電話で相談 042-404-2780法人のお客さまは、法人向け国内・国際医療搬送もご覧ください。
病院・施設の方へ:転院搬送の手配チェックリスト(PDF・A4 2枚)も、印刷してお使いください。
ほかの資料は、医療・介護職のための資料室にまとめています。
急がない転院を、地域で受けとめるために
条件に合わない転院搬送は、119番では受けてもらえません。
国の通知も、急がない転院には病院救急車や民間救急を使うよう示しています。
手配で迷うときは、患者さんの状態を伺って、必要な体制からご一緒に考えます。
この記事の監修:塚本昂平(看護師)
株式会社BTH 代表取締役。急性期病院の看護師、訪問看護を経て、民間救急・介護タクシー リーベルを創業しました。
監修者のプロフィール
出典:
東京消防庁「転院搬送の適正利用について」
総務省消防庁「令和7年版 消防白書」
厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要(救急医療・小児周産期医療)」
あわせて読みたい
転院が決まったら、移動はどう手配する?
転院の話は、思っていたより早く進むことがあります。相談員さんと転院先を探しているうちに、日にちが決まっていきます。 そのうち病院から、移動の方法はご家族で考えてください、と言われることがあります。どんな車を探せばいいのか […]
精神科の転院、何から始めればいい?
主治医の先生から転院の話が出たとき。あるいは、家の近くの精神科へ移れないかと、ご家族が考えはじめたとき。何から手をつければいいのかは、すぐには浮かばないものです。 転院の手続きは、今の病院の相談員さんと一緒に進めます。ご […]
民間救急はいつ、どう頼む? 予約から当日まで
退院や転院の日が決まると、移動の手配をご家族に任されることがあります。民間救急を頼むのは、たいていの方にとってはじめてです。 何日前に電話すればいいのか、何を聞かれるのか、費用はいつ払うのか。最初のお電話では、まずそこを […]






